保育園に入れない選択をして働き方が変わった話
テレワークで働くさすらいの会社員、イブです。
周りの人にテレワークをしていると話すと、「珍しいね」と言われることが一番多く、テレワークで働ける会社ってまだまだ少ないんだなと思う日々です。
もっとテレワークが浸透すればいいのに。そんな思いを込めて、テレワークを始めるまでの「迷い」と「決断」を綴ります。
働き方を変えてみようかなと思いながら、様々な事情で一歩を踏み出せない方に、わたしがテレワークをはじめるまでにこんな葛藤があったのか、という参考になったら幸いです。
保活のはじまり
遡ることおよそ1年前、生後半年の息子を連れて保育園の見学を始めました。
いわゆる”保活”です。
保活開始当初は、ワクワク感がありました。0歳育児ってとにかく大変で。社会と断絶されたような気分になっていたわたしにとって、保活は「今までの自分に戻るための第一歩」みたいな気がしたのです。
秋から始まる保育園の募集に向け、夏前から数ヶ月間、計10箇所以上の保育園を回りました。息子が1日の大半を過ごすところだから、とにかく真剣に見学。
男の子だから園庭は広い方がいいな。
保育士さんたちが和気あいあいとしているのも重要だし。
食べるの大好きな子だから、給食が美味しそうなところでなきゃ。
どんどん希望の条件が出てきて、優先順位をつけるのが難しく、たくさんの先輩ママさんにもアドバイスを聞きました。
役所に保育園の希望を出す直前まで悩みました。
提出窓口の近くにある椅子で順番待ちをしながら、夫に電話して
「園の希望順位、本当にこれでよかったかな?」
と相談するほど。とことん悩み抜いた末、申請書を提出しました。
息子の通院で迷いが生じはじめる
そうこうしているうちに冬になり、息子は1歳になりました。
行動範囲も広がってきたからでしょうか。
1歳の冬は、ものすごく頻繁に病気をもらい、とにかく病院通いの日々でした。
あるとき、耳鼻科に連れて行くと、「中耳炎で膿がすごく溜まっているから、今すぐ鼓膜を切った方がいい」と言われました。
鼓膜を切るーーーーー!?
突然のことに、とにかく頭真っ白。
先生の話によれば、中耳炎がひどい子にはよくあることで、切ったら膿を出せるから治りが早いし、穴はすぐ塞がるから問題ないとのこと。でも、まだ1歳だからもちろん麻酔はなし。めちゃくちゃ泣くと思うけど、すぐおさまるよと言われました。
一般的な処置だそうだし、早く治るから本人が楽になるのなら切った方が良いのかと迷いましたが。結果、切るのはやめました。
もし自分だったら、麻酔なしで鼓膜を切るなんて絶対嫌だーー。怖すぎるーー。
シンプルにその思いが勝ちました。
念のため他の病院でも見てもらって、同じことを言われたら納得できるかもしれない。
そう思い、待合室でGoogle検索をしまくり、隣町にある耳鼻科に行ってみることに。
人生初めて、耳鼻科のハシゴ。病院に着くと、とても人気なのか混雑していて、40分くらい待ってやっと診察の時がきました。
「うちなら、この程度の膿なら、切らずにまず薬で治すよ」と言われて心底ホッとしました。実際、薬を飲んだその日に熱が下がり、数日して鼻もよくなったのでした。
それ以降もあまりに中耳炎を繰り返すので、精密検査をしたところ、鼻の奥に細菌が住み着いていることが判明。「この子はきっとしばらく中耳炎を繰り返すだろうね。」 と先生からそう言われました。
どんな細菌がいるのかの説明と、免疫が強くなる3歳くらいまでは繰り返すだろう。
保育園など集団生活を始めると、さらに頻度はふえるだろう。
症状が悪化して、薬で効かない場合は、鼓膜を切らなきゃいけない可能性もある。
・・・そんな話がありました。
説明を聞きながら、心の中にモヤモヤが広がっていくのがわかりました。
このまま仕事に復帰して本当にいいのだろうか・・・?
その日から始まった、迷いの日々。
今の息子にとって、集団生活をはじめるのは酷なんじゃないか。
復帰したら、今のように息子を頻繁に連れていくことは難しいだろうし。
育児も仕事も中途半端になってしまうんじゃないか。
会社に相談して育児休暇を延長できたとして、来年改めて2歳枠で保活をするのは大変そうだなぁ。
色々な考えが頭の中をぐるぐる巡る。
夫は、私が納得して出した答えを全力でサポートすると言ってくれました。
でも、何が最善の答えなんだろう。
年末年始、ずっと迷いの渦のなかで過ごしていました。
保育園に入れないという決断
年があけ、歩くのが上手になってきた息子に、ファーストシューズを買って、公園でデビューをすることしました。
寒かったけど空気の澄んだ、気持ちのいい日だったことを覚えています。
はじめて外を歩く息子。
ちょっとオドオドしながら、注意深く一歩一歩踏み出しました。
こんなに成長して歩けるようになった姿に、心のそこから感動しました。
この1年間育児大変だったけど、努力が報われたなぁとも思いました。
あー、なんて幸せで贅沢な時間なんだろう。
その瞬間、自分のなかで答えがでたきがしました。
できるかぎり息子のそばにいたい。
仕事も大事だけれど、今は息子の健康を優先したい。
色んな思いや不安はあるけれど、1番大事だと思うことが、きっと最善の答えだ。
こうして、育児休暇延長を会社に相談することに決めました。
会社への相談と意外な展開
なるべく早い方がいいと思い、その日のうちに会社に事情を説明し、育児休暇延長の希望を伝えました。上司からかえってきた反応は、予想外のもの。
事情はわかった。
ついては、育児休暇延長ではなく、テレワークという勤務形態で復帰することを検討してもらえないか。
時短勤務との併用もできるから、子供の面倒を見ながら、無理のない範囲で業務ができるのではないか。
テレワークで復帰・・・制度自体は認識していたが、思いつかなかった。
子供の相手をしながら仕事をする、ということに不安もよぎったけれど。
勤務時間の融通はきくとのことだったし、事情を理解した上で戻ってきてほしいと言ってくれた上司の思いにも応えたいと思いました。
すぐに気持ちは固まり、旦那に相談。
いっぱい悩んだ末に、最善の方法にたどり着いたね、と背中を押してくれました。
こうして私は、テレワークで仕事に復帰する決断しました。
翌日には役所に申請取り下げに。
「本当に申し込みをキャンセルされるで間違いないですね?」
窓口の方の最終確認に、はいと応えたわたしの気持ちに、もう迷いはありませんでした。
テレワークで育児と仕事を無理なく両立できる
実際にテレワークをして感じるのは、とにかく心と時間に余裕ができるということ。
わたし仕事柄、PCがあればどこでもできる業務であることに加え、会社の制度上、始業終業の縛りがないことも幸いし、無理なく育児との両立ができているんだと思います。
毎日会社に対して成果物レポートも提出するので、むしろ会社に通勤して仕事をするより、明確に目標設定をして効率よく仕事ができているかも。
息子は相変わらず通院を繰り返していますが、症状が出たらすぐに病院に連れていくことができるおかげで、早いうちに良くなることができています。そして何より、日々成長していく息子の姿をいつも間近で見ることができる幸せを感じています。
育児も仕事も無理なく両立できるテレワークは、子育て世代にとってものすごくメリットの多い働き方だと思います。
テレワークの制度を設けてくれている会社、この働き方を認めてくれた上司、戻ってきてくれて本当にありがたいと暖かく迎えてくれた同僚、何よりわたしの決断を後押ししてくれた夫に感謝しながら、育児と仕事をこなしています。
おわりに:テレワークが浸透する社会になることを願って
社会全体で見ると、テレワークで働ける会社はまだまだ多くはないはず。 これからもっともっと社会に浸透してほしいと思います。
わたしの周りにいる多くの働くママさんは、毎日分刻みのスケジュールで保育園に送り迎えをこなして、仕事をして、時には病院に連れて行って。とにかく時間がないと大変な思いをしながら頑張っていて、本当に頭が下がります。
保育園に預ける預けないに関わらず、テレワークなら出勤する時間も省けるし、それだけでもだいぶ負担が減るんじゃないかと思います。そしてもし、保活の結果、保育園に入れなかったご家庭も、わたしのようにテレワークで育児をしながら仕事をするという選択肢があれば。もっとたくさんの働きたい人が活躍でき、待機児童問題の解消にも貢献できるんじゃないかと思っています。
テレワークがもっと浸透して、育児も仕事も楽しむ余裕がある社会になりますように。
そんな、本日のたわごとでした。
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